爆発伝ぱ遮断装置による爆発被害軽減

爆発伝ぱ遮断は、爆発圧力放散設備のように、爆発が発生するプロセス機器自体の防護では対応できない、連続したプロセス機器への爆発の伝播、つまりは連続爆発を防止する対策設備となります。

連続するプロセスにおいて、爆発被害対策は、爆発発生元となるプロセス機器の対策と、その機器が接続するプロセス機器へ爆発炎が到達しないようにする伝ぱ遮断対策が必要となります。

日本フェンオールでは、

  • アクティブなサプレッションシステムによる伝ぱ対策(ケミカルアイソレーション)
  • 10barの強固な耐圧を持つアクティブ爆発遮断弁(ナイフゲート)
  • 早期復旧が可能なアクティブ爆発遮断弁(ピンチバルブ)
  • 集じん機のインレット用の簡易なパッシブ爆発遮断弁(フラップバルブ)
  • 10barの強固な耐圧を持つパッシブ爆発遮断弁(フロートバルブ)

など豊富な種類の遮断弁、遮断システムを有しています。お客様の装置にマッチした爆発遮断システムを提供します。

アクティブ爆発伝ぱ遮断イメージ

日本フェンオールの爆発伝ぱ遮断対策の特徴

はじめに、日本フェンオールがご提供する爆発抑制装置は、基本設計の中に爆発伝ぱ遮断機能が組み込まれており、爆発炎の抑制に合わせて、爆発炎のダクト逸走からの爆発拡大を同時に防止します。もちろん、爆発抑制装置内の伝ぱ遮断機能のみをご提供することも可能です。また、爆発圧力放散設備など、接続プロセスへの爆発炎逸走を防ぐことができないシステムに加え、フラップぺ、フロート弁など放散口同様パッシブな遮断対策も、フラップバルブやナイフゲートのようなアクティブな伝ぱ遮断装置を組み込むことも可能です。

1、信頼性の高い製品構成

日本フェンオールの提供する爆発伝ぱ遮断製品は、いずれもATEXの第3者認証やFM認証を受けた機器、システムです。安全な操業を約束します。

2、豊富なラインナップ

IEPケミカルバリア、ナイフゲート、ピンチバルブ、フロートバルブ、フラップバルブと大きく5種の遮断システムをご用意しています。

3、既存の爆発対策に合わせて選択可能

装置に設置された既存の爆発被害対策を邪魔することなく、爆発遮断対策を実施いただくことが可能です。

4、容易な復旧が可能

日本フェンオールでは、IEPケミカルバリア、ナイフゲートの作動時復旧キットを備蓄しており、早期復旧に協力します。ピンチバルブ、フロートバルブ、フラップバルブは機器の損傷がなければ、現地で復旧することが可能です。

IEPケミカルバリアやナイフゲートでは高速で伝ぱ遮断を実施するため、操作制御装置の一部に火薬類を使用します。本装置の設置や部品交換の際は、火薬類の譲受許可証や譲渡し許可証を都道府県知事に申請する必要があります。(申請にあたり、火薬類に係る資格等は必要となりません。)

爆発伝ぱ遮断装置 主要構成機器紹介

爆発抑制装置は、

  • ①制御装置(コントロールユニット、コントロールパネル)
  • ②消火剤容器/消火剤拡散用スプレッダー
  • ③圧力感知器

を主な構成要素にしております。それぞれ代表的な機器をご紹介いたします。

アクティブな遮断弁

制御装置例

アクティブな遮断弁は、制御装置、爆発火炎センサー、遮断弁が一つのシステムとして構成されます。センサーが爆発・爆発火炎を検知すると、制御装置より遮断弁に動作信号が出力されます。制御装置からは遮断弁動作を知らせる外部出力信号が発信されますので、プロセス連動停止処置をとることができます。

センサー例

爆発や爆発炎を効果的に検出するため、赤外線センサーや圧力センサーを用います。条件によっては、爆発圧力放散口の動作信号を取り込むことも可能です。

ケミカルバリア

ダクト内を走る爆発炎を消火剤により消火することで、次プロセスへの爆発伝ぱを遮断します。爆発圧力がダクト内で閉じ込められることが無いため、ダクトの耐圧性能が他の物理的な遮断装置よりも低く設計ができるメリットがあります。

ナイフゲート

非常に強固な遮断弁で、10barの圧力に耐える性能を持っています。爆発発生装置での圧力軽減対策をしていない場合の爆発伝ぱ対策に有用ね遮断弁になります。

※爆発の封じ込め対策など、爆発圧力軽減を装置内で実施しない場合、爆発より発生する圧力は10bar(1MPa)を超える恐れがあります。

ピンチバルブ

ピンチバルブ QV II はゴム製ホースが高速で搬送路を閉鎖する閉止するピンチバルブです。5~6barの耐圧性を持つので、爆発圧力放散口が設置されたプロセス機器の爆発伝ぱ対策に最適です。また、制御装置の復旧操作で動作に使用した圧縮空気を開放し、その場で復旧させることができます。

パッシブな遮断弁

フロートバルブ

パッシブな遮断弁は、遮断弁自体が設定された圧力にさらされると自動的に作動し、搬送路を遮断します。電気的な接続が必要ないため、導入が非常に簡易で、作動後の復旧も現地で容易に実施できるメリットがあります。

フロートバルブは10barの耐圧性能を持ち非常に強固な遮断弁です。爆発封じ込め対策の遮断対策として頻繁に用いられます。

フラップバルブ

フラップバルブはいわゆる逆止弁です。集じん機のように、常時一方に送風され、爆発圧力は送風と逆向きに発生するプロセスで使用される簡易な爆発伝ぱ防止対策です。爆発指数もKst300bar・m/sec(ST2)まで対応できるバルブもあります。爆発圧力放散設備が施された集じん機のインレット側の伝播対策で広く使用されています。